このところ洗濯をする度に、物干竿にかけてあるワイヤーのハンガーがだんだん減っていることには薄々、気がついていた。
風で飛んで行ったしまったのかと思い、知らないうちに近所の家にブーメランのように巻き散らしていて、ご迷惑になっているのかもと少々、気がかりではあった。
今日も起きるとベランダでガタガタ音がする。
風が強そうだなぁと直火式エスプレッソメーカーに豆と水を入れて、直接、火にくべる。
まだガタガタ音がする。
これだけ風が強いと今日も花粉が飛んでそうである。
様子を見ようと磨りガラスの窓を開けると黒い物体と目があった。
紛れもないカラス君である。
これだけ近くで、ご対面したことがあっただろうか。
彼は怯えるわけでもなく、
「どうかしましたか?」
的に僕をじっと見ていた。
まぁ、物干竿にハンガーを置きっぱなしにしておいた僕も悪い。
「後で洗濯するから少し残しておいてね」
そう声をかけると、窓を閉めてエスプレッソの出来上がりを確かめに戻る。
洗濯時に確認すると、本日も1本、お持ち帰りになったようである。
今後、ハンガーは出しっ放しにしないようにするので、カラス君、明日、来てもないからね。
窓を開けて、らくだがいたらびっくりするだろうなぁ。

















